ウンブリア旅行・アッシジのフランチェスコ編

遂に憧れだったアッシジに到着。続きを読むをクリック!
遂に憧れだったアッシジに到着。続きを読むをクリック!

イタリアの古い街はどこもそうですが、ビンテージ風に撮ってみると本当に何時代の写真なのかわからなくなりますね。

 

初めてのイタリア旅行の時アンティークの絵はがきを買い、それがどこかもわからないまま雰囲気が気に入って、ずっと部屋に飾っていました。

後になってそれがアッシジだったと気付き、いつか行ってみたいとずっと思っていた街・・・。

(↑上の写真は私がアンティーク風に加工しただけで、これが絵はがきだったわけじゃないですよw)

 

お次はトイカメラ風で♪
お次はトイカメラ風で♪

アッシジと言えばフランチェスコ。

聖フランチェスコは、イタリアの中でもピカイチに人気の聖人です。

愛と平和を説き、聖人の中でも珍しいほどに自然との関わりを強調し、イタリアの国の守護聖人にも指定されている、超有名聖人。

 

ここアッシジは彼の出身地であり、フランチェスコ大聖堂には彼の遺体が収められています。

現在でも、フランチェスコを敬愛する世界中の人々がこの大聖堂に巡礼にやってきます。

街の中にはフランチェスコ会の修道士の姿がとても多く、道行く観光客でさえ、どこか神妙な顔つきでフランチェスコへと思いを馳せる・・・そんな街なのです。

 

 

門をくぐれば、そこは聖地。
門をくぐれば、そこは聖地。

そう、ここはキリスト教徒にとっては大切な聖地。

coccolobluはキリスト教徒ではありませんが、やはり敬けんな気持ちになる空気は漂っていました。

 

街に着き、この門をくぐると、すぐにフランチェスコ大聖堂に到達します。

 

フランチェスコはアッシジの裕福な家の息子でしたが、戦地で挫折し、この街に戻ってきます。

(この辺のストーリーは前に紹介した聖ガルガーノにそっくりだと思いません?聖人のストーリーは幾つかのパターンはあるものの、どれもとても似ているのです。)

 

それまでの放蕩生活を捨て、改心し、神に尽くすようになるフランチェスコ。

彼の言葉には兄弟愛が溢れていて、多くの人々を魅了します。

 

ハトに説教をしたという逸話も残っていて、大聖堂内のフレスコ画にもその様子が繰り返し描かれていました。

・・・ここで、馬の耳に念仏という言葉が頭から離れなかった私・・・ホントすいません(爆)

 

大聖堂前の広場。右にある馬に乗ったうなだれた人が、戦地から帰郷するフランチェスコです。
大聖堂前の広場。右にある馬に乗ったうなだれた人が、戦地から帰郷するフランチェスコです。
大聖堂は珍しく坂の中腹に建てられており、上下二層と地下があります。
大聖堂は珍しく坂の中腹に建てられており、上下二層と地下があります。
二層目から一層目を見るとこんな感じ。その向こうにははるか遠い大地が。
二層目から一層目を見るとこんな感じ。その向こうにははるか遠い大地が。

大聖堂の地下墓所には、フランチェスコが四人の弟子と共に眠りについています。

暗い地下。ひんやりと冷たい空気。

沢山の人が動く気配。

必死に祈る人、椅子に座って放心する人、コソコソと話をする人、それを聞きつけて「シレンツィオ(静かに!)」と怒る黒人修道士・・・。

 

小さな部屋の中にあまりにも沢山の人の思い、祈り、好奇心が詰まっていて、押しつぶされそうに重い。

信仰の厚い人はそれこそすがるようにフランチェスコの墓に手をかけ、祈りの言葉をつぶやいていきます。

彼のお墓の周囲には、きっと誰か大切な人を亡くした人が持ってきたのでしょう、沢山の写真が置かれている。

圧倒的に子供や、若者の写真が多い・・・子供を亡くした親が、すがるような気持ちで子供の写真を持ってきたんだろうな・・・。

 

coccolobluもロウソクを買い、自分と自分の家族のために献灯しました。

 

中庭。外の空気に触れてほっとする。
中庭。外の空気に触れてほっとする。

イタリアの人のフランチェスコに対する親和感というのは、他の聖人に対するものとはかなり雰囲気が異なります。

フランチェスコほど人々から愛される聖人は、他にいないでしょう。

 

大聖堂を出たところの眺め。
大聖堂を出たところの眺め。

ふぅー。

宗教的な聖地に来るといつものことなのですが、そのエネルギーに圧倒されて少し疲れました。

外に出るとほっとします。

大聖堂前は芝生になってて、見た目にも優しい感じ。

 

芝生にTという文字と、その下にPAXという字が見えますね。

 

Tはタウと読み、フランチェスコ会の掲げるシンボル。

彼らの十字架は他のキリスト教の十字架とは少し違っていて、シンプルな木製が一般的で、形は上の突起を取ったT型をしています。

このタウというのはヘブライ語のアルファベットの中で一番最後の文字にあたり、これは聖書における救済と神からの愛を意味するのだとか。

他にもタウの意味については「自分の救済は最後で良い」という謙遜の表れだとか、献身を現すとか、ちょっと調べるだけで実に様々な解釈が出てきます。

どちらにせよ、これはフランチェスコが生前に好んで使っていたシンボルなのだそうです。

 

PAX(パスク)というのは確かラテン語、現代イタリア語ではpace(平和)にあたります。

Pax et Bonum!というのは、実はちょっとした合い言葉。

アッシジに限らず、道行くフランチェスコ会修道士さんに「パクス・エ・ボン!」と声を掛けると、にこやかに返事をしてくださいます^^

(おそらく正しいラテン語の読み方としては、パスク・エ・ボヌムだと思われますが、イタリア人はこの語尾をほとんど発音しません。耳で聞く分には、ボンと言ってるように聞こえます)

 

Bonumはちなみに現代イタリア語ではBene(良い)にあたります。

フランチェスコが好んで使っていた福音的挨拶で、今でも修道士の間での挨拶として残っているのです。

サンダルを履いて、茶色い服に腰紐を巻いた修道士さんを見かけたら、ラテン語で秘密の挨拶をしてみるというのはいかが?

 

 

さて、フランチェスコの話題だけで長くなってしまったので、アッシジのその他の写真はまた今度☆

 

コメントをお書きください

コメント: 2
  • #1

    1ray2way (土曜日, 03 9月 2011 17:22)

    ロッセリーニの「フランチェスコ」を観て以来、私もフランチェスコが大好きになりました。いつかは行ってみたい。。。

  • #2

    coccoloblu (月曜日, 05 9月 2011 10:11)

    1ray2wayさん

    フランチェスコは本当に様々な舞台、映画、小説などに描かれていますよね。
    是非いつかご自分の目で、彼の生きた町を見てみてください^^