ポンペイ遺跡、その2

夕暮れのポンペイは素敵です。続きを読むをクリック。
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完全に偶然なんですが、前回見た建物の多くが修復作業中だったので、今回は前は見逃した場所を中心に見て回りました。

この、神殿広場も初めて見たんだけど・・・こんな重要なポイント、なんで前回は落としてしまったんだろ?

右も左もわからないまま、言われるがまま日本人ガイドさんに案内してもらったんだけど・・・時間がなかったのかなぁ。

 

さて、もう一つ、前回は見られなかったのが秘儀荘。

名前からして少々やらしい感じですが、まぁ確かに、やらしい感じのフレスコ画も残ってる豪華な館です(笑)

こちらはちょっと他の目玉から離れていて、結構歩かないといけないので、駆け足観光だと見落としがちなところ。

 

ふふふ、期待した??やらしい感じの壁画ったって、写真に撮るの難しいのよ~w
ふふふ、期待した??やらしい感じの壁画ったって、写真に撮るの難しいのよ~w

↑のフレスコが、この館が「秘儀荘」と呼ばれるゆえん。

ポンペイ・レッドとも呼ばれる真っ赤な背景に、何やら怪しげな(笑)人々が怪しげなシーンを繰り広げてます。

 

詳しい解説は専門の方に任せるとして、これは当時信仰されていたディオニュソスの秘儀への入信を描いている、そうです。

ディオニュソスは豊穣を司る神。

ものすごーく簡単にかみ砕くと、若い女性が妊娠したくてやってきて、ディオニュソスの秘儀を聞かされ、入信する(おそらく結婚・妊娠)、という流れ。

 

色から受けるインパクトほどやらしいシーンはここには描かれていないんですが、でもまぁ、ポンペイは結構いたるところにやらしい壁画がありますよね(笑)

現代とは性に対する意識が違ったんだろうなぁ。

少なくとも隠すものという感覚ではなかった、ような感じ。

ここにも軽く描かれてますが、当時は男根信仰とかも一般的だったみたいですし。

 

でも残念ながら、こういうオープンさ、明るさは、キリスト教がヨーロッパを飲み込んだと同時に上書きされ、跡形もなく消されてしまいました。

もし、ギリシャの神々の牧歌的な平和さ、太陽のような明るさが現代に息づいていたら・・・世界はどうなってただろう?興味あります。

 

 

ちなみに秘儀荘の正式名称は「Villa dei Misteri」、Misteriは英語にするとミステリーの意ですから、直訳すると「謎の館」、ちょっと頑張って「神秘の館」くらいでしょうか。

 

 

 

ディオメデス荘、かな。
ディオメデス荘、かな。

秘儀荘の近くに、ポンペイ一大きなお屋敷があります。

普段は立ち入り禁止(過去には公開されてたこともあるようです。今は残念ながらダメ)なこのお屋敷に、今回ラッキーなことに入館が許されました。

 

・・・って書くと聞こえがいいけど、実際は秘儀荘の近くの守衛さんと連れが立ち話したら、「ポンペイには観光客立ち入り禁止になってる面白い場所がまだまだ沢山あるんだぜー。一つ見せてやるよっ」と案内を買って出てくれたのです。

 

ラッキーなことには違いないし、有り難いは有り難いんだけど・・・。

この守衛さんがね、(悪い意味で)こってこてのナポリ男!!

「オラについてきなっ任せとけっ」みたいな温かさはいいんだけど、もんのすごいポルポなの!!!!

 

※ポルポとは

イタリア語でタコ。体にベタベタ触ってこようとする、不届きや輩のことを指して使います。

 

確かにお屋敷は素敵でした。

色々細かな説明もしてくれて、嬉しいです。

眺めのいいテラスからは絶景も見えました。

昔はそこから海が見えたそうで、ポンペイの貴族の豊かな暮らしもかいま見れました。

でもね、でもね、「触るんじゃねーよコノヤローーーーー!!!!」というのが正直な感想です、はい。

褒め殺し作戦に出つつ、腕つかんだり肩を抱いたり、挨拶するフリして顔を近づけようと試みたり、恐れ多くも胸元にさえ手を伸ばそうとしたり・・・もちろん徹底ガードで触らせませんでしたけど。

 

私一人だったら確実に押し倒されてたくらいひどいポルポだったので、ポンペイ遺跡を訪れる女性諸君、くれぐれも気をつけるように!!

ま、私一人だったらそもそも案内するとか言われてもついて行かないし、チラリとでも触られたら速攻対処しますけどね・・・。

この守衛さんを連れてきたのがそもそも私ではなかったので、そちらに遠慮して引っぱたき損ねてしまいました(涙)

連れがいてもポルポなんだから、よっぽどです、このナポリじじぃ!

 

 

えぇ、景色は最高の貴族の館でした。説明も色々と役立ちました。けど、ポルポはいかん。
えぇ、景色は最高の貴族の館でした。説明も色々と役立ちました。けど、ポルポはいかん。
あまりにも暑かったので、途中で秘儀荘の裏から遺跡の外に出て、冷たいグラニータで休憩。
あまりにも暑かったので、途中で秘儀荘の裏から遺跡の外に出て、冷たいグラニータで休憩。
あれ?なんかばっちりポーズ取ったオジサンが写り込んでしまったw
あれ?なんかばっちりポーズ取ったオジサンが写り込んでしまったw
わかりにくいけど、災害で亡くなった方のリアルな姿も、こうして石膏を流し込んで保存されています。つらい・・・。
わかりにくいけど、災害で亡くなった方のリアルな姿も、こうして石膏を流し込んで保存されています。つらい・・・。
神殿広場。ヴェスビオ火山がそびえます。
神殿広場。ヴェスビオ火山がそびえます。

夕方になって神殿が集まる街の中心市場に行ったら、全然人がいなくなっていて、ゆっくり見ることができるようになってました。

閉館ギリギリに出たんだけど、この時間帯は誰もいなくてオススメです。

 

円形劇場も人がいなくなって、歌いたい放題(笑)
円形劇場も人がいなくなって、歌いたい放題(笑)
紀元前の神々が奉られた場所・・・
紀元前の神々が奉られた場所・・・

一つ、有益な情報を。

と言っても日本人にはあまり関係ないかもしれないけれど・・・。

 

個人でポンペイ遺跡を訪れる場合、オーディオガイドか欲しいと思うこともあると思います。

残念ながら日本語はありませんが、イタリア語、英語などはあります。

 

ただし、オーディオガイドは遺跡の出入り口の門で貸し出しているものを借りた方が良いです!

(遺跡には幾つか出入り口があり、オーディオガイドを置いているのはそのうち一カ所だけなんですが)

遺跡の外、街の主要な通りに、オーディオガイドを貸し出しているブースが出ていますが、あれって実は公式のものではないようです。

(貸し出し所から道路を挟んだ向かいにある、バーガーキングが実は貸し出しもと)

 

値段も公式のものの方が安いし、何より、非公式のやつは半分くらい、説明が入っていません。

100個くらい説明が入ってなきゃいけなかったとして、50個くらいは壊れているのか、もともと録音されていないのか、何も流れないんです。

なんか法律的にも大丈夫なのソレ?と思っちゃう驚き商売ですが、さすがナポリといったところでしょうか・・・。

 

 

ナポリのネガティブなところを今回は二つも書いてしまったけれど(笑)、私は好きですよ、ナポリ。

食べ物も美味しいし、観光客が殺到する場所はごく限られていて、中にはフルボ(イタリア語でずる賢いの意味。フルボにポルポ、これ最悪w)な人もいますが、それ以外の場所の人たちは私の知る限り素朴で心が温かい人が多いです。

 

今回ポンペイに3泊しましたが、ポンペイ市も遺跡以外の場所にはさほど観光客もおらず、日常の生活も垣間見られて、落ち着いて過ごすことのできる街でした。

ポンペイに泊まる人はあまりいないみたいだけど、遺跡やヴェスビオ火山への観光にはとっても便利ですよー。