先日、とてもとても悲しい出来事がありました。
見知らぬ番号から電話がかかってきて・・・それは大切な友人アンジェロが、急な心臓発作で亡くなったという知らせでした。
信じられない思いで夜を過ごし、翌々日、奥さんのダニエーラが待つ病院の霊安室へ。
遺体をこの目で見なければ、彼が死んだなんて、絶対に信じることができなかったと思います。
いつも誰よりも元気で、人と人とをつなげる温かい魅力に溢れた人でした。
彼も、彼の奥さんや二人の素敵な娘さんたちも、みんな明るくていつも笑顔に溢れた家族でした。
愛に溢れた、本当に素晴らしい家族だった。
だからこそ、奥さんの悲痛な泣き声が、今も耳の奥で消えません。
アンジェロやその家族には、本当にお世話になりました。
イタリア生活になかなか慣れることができず、人の集まりに顔を出すのが苦痛で、一人黙り込みがちだった私に、いつも強引に話しかけてくれた。
人を褒めるのがものすごく上手な人で、いつも周囲の人々の前でたっっっっくさんの褒め言葉を掛けてくれて、おかげで最初は冷たかった周りの人々も徐々に私と普通に接してくれるようになったのです。
外国人だからとか、そういう差別がまったくない彼らの存在に、どれほど励まされたことか。
彼らがいなかったら、私は今のように気軽に人の集まりに顔を出したり、家に人を招待したりできないままだったろうと思います。
最後にアンジェロに会ったのは、私がイタリアに帰ってきて一ヶ月ほど経ってから、うちでお寿司パーティーをした時でした。
いつも通り元気だったし、いつも通り笑顔で、深夜までワイワイお喋りをして気軽に別れました。
まさかあれが、お別れになるとは・・・。
唯一救いなのは、彼は自分の好きなことをしている最中に、全然苦しまずに亡くなったということです。
家族で海のキャンプで過ごしていて、夕方少し涼しくなってからサッカーをしに行って、そこで心臓発作が起き、そのまま帰らぬ人となったのです。
だからきっと本人に聞いてみても、「オレが死んだのはオレらしい、人生最良の一日のうちの一つだ」と言うでしょう。
仲間が病院に集まり、家族としっかり抱き合って、棺を閉めるまで最後のお別れをしました。
そして、翌日のお葬式では、仲間うちでおそろいで作ったTシャツを着て、式に参列しました。
アンジェロのTシャツは、家族の希望で棺の中に彼と一緒に入れました。
イタリアで初めて参加するお葬式が、まさかこんなに近しい友との別れになるなんて。
大切な人たちはみんなずっと、元気でいてくれるならどんなにかいいのに・・・。
私もいつか、アンジェロとその家族のように、人と人とをつなげることのできる懐の広い温かい人になりたい。
今はまだ悲しみが大きすぎて混乱してるけど・・・。
でも何よりもまず、こんな素晴らしい人と出会えたことに、感謝したいと思います。
アンジェロ、ありがとう。
お世話になりっぱなしで、ごめんなさい。
今までも、これからも、ずっとずっと大好きだよ。
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